保健室登校という選択——違う形でも学校とつながれたこと【不登校体験談】

教室に入れなかった私が保健室という空間で見つけた”学校との関わり方”。

「私も学校にいたんだ」と思えた時間のこと

保健室登校で、学校に居場所ができた

 学校に通えなくなった時期、私は“学校にいる”ということ自体が怖くなっていました。 初めは、学校の中にいることが難しく、登校できても短時間で帰る日が続いていました。校長室で勉強をさせてもらえる機会もありました。 静かな空間ではあったけれど、イベント的な感じで校長先生になにか教えてもらったり、少しドリルをやったりする程度。

 やがて、保健室へと通うようになりました。先生が保健室に私の机を用意してくれました。—— その机で過ごす時間が続くうちに、「ここは私がいてもいい場所なんだ」と、思えたのです。

 教室には入れないけれど、保健室には入れた。ほかの人からしたら小さいことかもしれないけど、私にとっては大きな変化でした。保健室登校を通して学校の中に“自分の居場所”が少しずつできていったのです。

 結果、学校にいられる時間は長くなり、学校に通える日も増えていきました。

保健室での様々な体験

 保健室に通うようになってから、私は様々な体験を重ねることができました。

 それまでは家で、自分の机に座って過ごすしかなかった日々。外に出られること自体が、自分にとっては大きな進歩でした。 それだけでなく、保健室では先生や友達と話すこともできて、少しずつだけど「学校の一員になれた気がする」そんな感覚を持てるようになっていったのです。

 刺激の強い教室にはまだ入れなくても、保健室という場所が、私にとっての“学校生活の入り口”でした。

自分のペースで勉強

 保健室に通うようになって、私は学校の中で、自分のペースで勉強できるようになりました。教室のざわざわした空気や「みんなと同じペース」の圧迫感は私の取っては強い刺激でした。保健室では、誰にも追い立てられることなく、自分のタイミングで勉強を進めることができました。

 先生も仕事をしながら、私も勉強をしながら、ちょっとした合間におしゃべりするのも楽しみでした。ありがたい時間だったと思います。

家で勉強していた私にとっては「学校で勉強できた」ということが自信につながりました

友達との時間


 私が保健室にいることが、仲の良い友達が知るようになり、休み時間に保健室に来てくれていました。一緒に絵をかいたり、おしゃべりしたり、今日はお互い何をしていたのか伝えたりしていました。そこに保健室の先生も入ってくれたりして、保健室ではあったけど、私は安心して学校の中で友達と過ごすことができるようになっていました。

 教室に戻ることはまだ難しかったけれど、保健室の中で“誰かと過ごす時間”が持てたことは、学校との関係を結び直すことにつながりました。

給食を食べられるようになった

 私が学校生活でネックになっていたことの一つが給食でした。

 緊張や不安な気持ちから食欲がなくなる性質がありました。(今もです笑)そのため給食を食べることは恐怖の時間になっていました。

 でも、保健室という自分の居場所を見つけた私は、徐々に食べれるようになったのです。はじめは友達がクラスから持ってきてくれたいた給食も、そのうち自分で教室に取りにいくようになりました。私が教室に行けば、友達と担任の先生と話すことがあり、クラスとつながりを作っていきました。

(さらに、そのうち給食だけ教室で食べれるようになったのです。すごい!)

授業や学校活動への参加

 保健室登校を始めてからだーいぶ時間がたった頃、私はクラスで授業を受けることも少しずつできるようになっていきました。自分で行けそうな授業を選んで、はじめはクラスを覗くところから。徐々に授業に参加することが増えました。

 教室という空間は、まだ刺激が強く感じることもあったけれど、保健室という安心できる場所があったからこそ、私は自分のペースで授業に参加できたのだと思います。ずっと家にいたらこの変化はなかったし、自分のペースで取り組むことが許される環境があった私はラッキーだったな…と思います。

私の居場所~人と違ってもいい~

 教室で過ごすという一般的な学校生活は、私には難しかった。(結局小学校卒業まで、クラスに一日いることはできませんでした) でも、保健室という空間の中で、私なりのペースで学校に通い、関わり、つながりを感じていた時間が、たしかにありました。

 他の人と違う形だったとしても、「学校に居場所がある」と思えたことは、私にとってとても大きなことでした。 それは、教室の席じゃなくても、“学校の中にいる私”を肯定できたということ。

 居場所は、誰かに見せるためのものじゃなく、自分で「ここにいていい」と感じられるかどうか。 その感覚に出会えた私は、ほんとうにラッキーだったなって、そう思います。そして、それを認めてくれて支えてくれた学校の先生、保健室から教室に通う私を受け入れてくれたクラスメイトがいたからこそできたこと。本当に感謝しています。

あぱち
あぱち

久しぶりの一人時間♥私は今でもマイペースが大好きなので、心が落ち着きます。

辛いラーメン食べるぞ~

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