夏休みの読書感想文…本を読むのが好きでも、なかなか悩む夏休みの宿題ではないでしょうか。
こちらの記事では、お子さん自身が考えて、自分のことばで楽しく読書感想文を書くことを目指しています 。
2026年・小学校高学年の夏の課題図書『ミシュカ』を題材に、
テーマの整理・書き方のコツ・質問例・構成の作り方・ショートサンプルまでをまとめました。
『ミシュカ』は、難民として生きるロヤの姿を通して、安心できる場や人とのつながりの大切さに気づかせてくれる作品です。 物語の理解を深めながら、感想文に必要な“考える材料”を自然に引き出せるように構成しています。
親子で取り組める内容になっていますので、夏休みの読書感想文づくりのサポートとして、ぜひご活用ください。
(※作品を読んだあと、必要な部分をご活用ください✨)
1.本の基本情報
- タイトル: ミシュカ
- 著者: ミシュカエドワルト・ファン・デ・フェンデル&アヌッシュ・エルマン・(作) アネット・スカープ(絵) 絵野坂悦子(訳)
- 出版社/出版年:静山社/2020年
- 課題図書の対象学年: 小学校高学年(第72回 読書感想文コンクール 2026)
2.超・簡潔にわかる!『ミシュカ』
アフガニスタンから逃れてきたロヤ一家が、オランダで永住許可を得て“新しい日常”を始める物語。
難民問題を知りながら、難民の子供たちが抱える苦しみを想像し、自分の日常の幸せを実感できる作品です。
ミシュカはウサギ/主な登場人物
ロヤ(9歳):主人公。アフガニスタンから避難してきた。当時の記憶はなく、新しい土地での生活を始めている
ミシュカ:ロヤの家に迎えられた白いウサギ。オランダに永住が認められたロヤ一家のペットになる
父母:自由な考えの持ち主でアフガニスタンにいられなくなりほかの国への避難を決める
バシール・ハマユン・ナヴィット:3人のロヤの兄
① アフガニスタンから亡命してきた少女ロヤは、オランダでようやく安心して暮らせる場所を得て、ウサギの“ミシュカ”を飼い始める。
②ロヤは、亡命中の記憶はほとんどなく、ミシュカに語り掛ける家族の話から、当時のことを考える。
③ 一時、行方不明になってしまったミシュカのことをクライメイトの前で語ったロヤ。“安心できる場所”の幸せを実感する。
低学年の課題図書の解説はこちら
3.「ミシュカ」のテーマを深掘り!読み解く3つのポイント
『ミシュカ』は、物語として楽しめるだけでなく、子どもが“自分の生活”や“世界の現実”に目を向けるきっかけになる作品です。 ここでは、感想文を書くうえで土台となる 3つのテーマ を整理しておきます。
この3つを押さえておくと、子どもが自分の言葉で考えを広げやすくなり、 感想文の内容にも深みが出てきます。
難民としての「逃げる旅」|今も続く現実を知る
ロヤはアフガニスタンから逃げてきた子どもです。 物語の中には、「逃げる旅がどんなものか、どうやって先に進めばいいのかわからない旅」という言葉があります。
ミシュカが行方不明になった“旅”と、ロヤ自身が経験した“逃げる旅”が重なるように描かれています。 読者は、今この瞬間にも故郷を離れざるを得ない子どもたちがいるという現実に、そっと目を向けることになります。
- 逃げる旅の現実 — 子どもでも国を離れなければならない状況がある
- ミシュカの旅との重なり — うさぎを探す不安と、ロヤの過去の不安が響き合う
- 今も続く難民問題 — 物語を通して“現実の子どもたち”を想像できる
ロヤの体験は決して特別ではなく、世界のどこかで起きている“誰かの現実”。
この作品は、子どもにも大人にも「想像する力」を静かに呼び起こしてくれます。
安心できる場所|帰る家があることの幸せ
物語のラスト、ミシュカはロヤの上でおしっこをしてしまいます。 一見おかしな場面ですが、これは“ロヤの上が安心できる場所”だというサイン。
ロヤは難民として、居場所を何度も変えざるを得ませんでした。 だからこそ、新しい国で「安心できる場所」を見つけられたことは、とても大きな意味を持ちます。
- 安心の象徴としてのミシュカ — ロヤが“ここにいていい”と思える存在
- 帰る家の価値 — 当たり前に思える幸せに気づける
- 新しい土地での再出発 — 過去の不安を抱えながらも前に進む姿
「帰る場所がある」ということは、実はとても大きな幸せ。
読者自身の生活を振り返るきっかけにもなるテーマです。
人とのつながり|支えてくれる存在がいること
ロヤの周りには、協力してくれる家族、興味を持って話を聞くクラスメイト、優しく包み込むような先生がいます。
ロヤが安心して暮らせるようになった背景には、こうした“人とのつながり”がありました。
- 家族の支え — 不安な状況でも寄り添い合う力
- クラスメイトの好奇心と優しさ — 他者理解の第一歩は「知ろうとすること」
- 先生の包容力 — 子どもを受け止める大人の姿
人とのつながりは、ロヤにとって“新しい世界を生きるための土台”。 そして読者にとっても、「自分も誰かを支える存在になれる」という気づきを与えてくれます。
4.全体をイメージすると、感想文はスラスラ書ける|全体の構成
感想文は、いきなり書き始めるよりも、まず“全体の流れ”をイメージするとスラスラ書けるようになります。
文章の順番が見えていると、書く内容が自然に決まり、迷わず書き進められます。
付箋にメモをして、構成を考えてみるのもおすすめです。
「どの順番で書くか」を決めるだけで、感想文はぐっと書きやすくなります。
私なら、以下のような順番で書いていきます。
① この本を選んだ理由
・どうしてこの本を読もうと思ったのか
・表紙の雰囲気、テーマへの興味、先生にすすめられた、難民という言葉が気になった…など
・「自分の関心と本のテーマをつなげる」と説得力が出る
② 印象に残った場面
・印象に残った場面やセリフ
・その場面を選んだ理由
・自分がどんな気持ちになったか、なぜそう感じたのか
③ 考えたこと・やってみたこと
・ロヤの気持ちをどう想像したか
・難民問題や“安心できる場所”について考えたこと
・自分の生活や経験と重ねて気づいたこと
・調べたこと
・読んでから行動してみたこと
④ まとめ
・この本を読んで一番心に残ったこと
・これから自分がどうしたいと思ったか
・読んでよかったと思う理由
5.感想文のネタ集め!こうやって質問する|子どもの考えを引き出す
感想文を書くとき、いきなり「何を書こう?」と考えるのはむずかしいもの。
そこで、“ちょっとした質問”を投げかけることで、子ども自身の言葉で感じたことや考えたことが出てきます。
ここでは、ミシュカのテーマ(難民・安心できる場所・人とのつながり)とつながる質問を紹介します。
テーマから外れず、子どもの言葉を引き出すのにぴったりです。
ミシュカとの関係から考える安心|安心できる場所ってどんなところ?
まずは、ロヤとミシュカの関係に注目して、そこからイメージを広げてみましょう。
“安心できる場所”というテーマにつながりやすく、子どもが自分の経験と重ねやすい質問です。
- 「あなたにとって“安心できる場所”ってどこ?」
- 「その場所のどんなところが安心できるの?」
- 「安心できる人ってだれ?」
日常の中で安心できる場所があること、当たり前の生活の中に守られていることに気付けるとよいでしょう。
ロヤの旅から考える難民問題|“逃げる旅”をどう感じた?
ロヤはアフガニスタンから逃げてきた難民の子ども。
社会問題について、子どもの視点で考えることは貴重なことです。
お子さんの素直な言葉を大切にしてあげてください。
- 「ロヤのお父さん、お母さんは、どんな気持ちで国を出たんだろう?」
- 「知らない国に行くって、どんな気持ちだと思う?」
- 「自分だったら、どんなことが心配になる?」
- 「安全な国に行けたら、それで幸せかな?」(差別や文化の違いにも視野を広げられる質問)
また、難民問題について少し調べてみて、
「知ったこと → どう感じたか」
をメモしておくと、感想文の説得力がぐっと上がります。
人とのつながりから考える|助けてもらう・助けるってどういうこと?
ロヤを支える家族、クラスメイト、先生。
ミシュカを中心に家族がチームとして機能していたり、ロヤの発表を興味を持って聞くクラスメイト、温かく包み込むような先生の姿が描かれています。
“つながり”をテーマにすると、子ども自身の経験と結びつきやすく、自分の生活につながる感想文になります。
- 「あなたが困ったとき、助けてくれる人はだれ?」
- 「助けてもらったとき、どんな気持ちになった?」
- 「あなたはだれを助けたいと思う?」
- 「いつも話を聞いてくれる人(話してくれる人)っている?」
⭐質問のコツ|子どもの言葉を引き出す魔法のリアクション
子どもから言葉が出てきたら、 「それ、いいね!」 「なるほどね~!」 「それは気付かなかった!」 と、気持ちを受け止めてあげること。
とにかくたくさん言葉を引き出して、考えを深めていきます。 出てきた言葉は、どんなに小さくてもメモしておきましょう。
メモはあればあるだけ、あとで助かります。 その言葉こそが、感想文の“材料”になります。
6.感想文を書いてみた!(ショートver.)
実際に書いてみました!
要素だけを入れた簡単バージョンになりますが、全体のイメージが伝わればと思います。
感想文サポートのきっかけにしてください。
7.まとめ
『ミシュカ』は、安心できる場所の大切さや、人とのつながりのあたたかさを教えてくれる物語でした。
難民問題についても考えるきっかけとなります。
子どもが自分の生活を見つめ直し、まわりの人への感謝や思いやりを育てる一冊です。
次回は【キミの一歩アフリカ:ゾウを食べるにはひと口ずつ/味田村太郎 】について、まとめます!
※記事完成したらリンクをはります
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