『それからぼくはひとりで歩く』読書感想文の書き方【夏の課題図書/小学校中学年】

夏休みの読書感想文…本を読むのが好きでも、なかなか悩む夏休みの宿題ではないでしょうか。

こちらの記事では、お子さん自身が考えて、自分のことばで楽しく読書感想文を書くことを目指しています 。

2026年・小学校高学年の夏の課題図書『それからぼくはひとりで歩く』を題材に、

テーマの整理・書き方のコツ・質問例・構成の作り方・ショートサンプルまでをまとめました。

『それからぼくはひとりで歩く』は、視覚障害を持つハイメの姿を通して、「見えない世界」だけでなく「誰にでも共通する初めての一歩」について考えさせられる作品です。

物語の理解を深めながら、感想文に必要な“考える材料”を自然に引き出せるように構成しています。

親子で取り組める内容になっていますので、夏休みの読書感想文づくりのサポートとして、ぜひご活用ください。

(※作品を読んだあと、必要な部分をご活用ください✨)

1.本の基本情報

  • タイトル: それからぼくはひとりで歩く
  • 著者: ミシュカ・エドワルト・ファン・デ・フェンデル&アヌッシュ・エルマン(作) アネット・スカープ(絵) 絵野坂悦子(訳)
  • 出版社/出版年:静山社/2020年
  • 課題図書の対象学年: 小学校高学年(第72回 読書感想文コンクール 2026)

2.超・簡潔にわかる!『それからぼくはひとりで歩く』

視覚障害のあるハイメが、ひとりでバスに乗ることに挑戦し、自分の力で進もうとする姿が描かれた物語。
その中で感じる不安や勇気は誰にでも共通するもので、「障害をどう見つめるべきか」を静かに考えさせてくれる。

ハイメは視覚障害をもつ男の子/主な登場人物

ハイメ — この物語の主人公。視覚障害があり、ひょんなことから“ひとりでバスに乗り、目的地に向かう”ことに挑戦する。

ミゲル — ハイメの兄。支えになりながら、親友のような存在へと変わっていく。

— 少し過保護だが、物語の終わりにはハイメや自身の新しい挑戦を受け入れるようになる。

おじいちゃん — ハイメを特別視せずにサポートするマインドを持ち合わせている。

超・簡潔に分かる!結末までに起こること

ハイメは、いつも通り学校へ向かう朝を迎える。視覚障害がある生活が具体的にイメージできる。

② ひょんなことから、この日“ひとりでバスに乗る”ことになる。 不安を抱えながらも、ハイメは自分の力で目的地を目指す。 途中で戸惑いや小さなトラブルも経験する。

ハイメは無事に目的地の兄の中学校へ到着し、大きな達成感と自信を得る。 “自分でできた”という実感が、彼の成長につながっていく。

低学年の課題図書の解説はこちら

『なにか いいこと あった?』読書感想文の書き方【夏の課題図書/小学校低学年】 「夏の課題図書シリーズとして『まこちゃんとコトバロボ』の読書感想文の書き方を紹介する低学年向けアイキャッチ画像」 『まこちゃんとコトバロボ』読書感想文の書き方【夏の課題図書/小学校低学年】

3.「それからぼくはひとりで歩く」のテーマを深掘り!読み解く3つのポイント

『それからぼくはひとりで歩く』は、物語として楽しめるだけでなく、子どもが“他者の生活”や“自分の世界の広がり”に気づくきっかけになる作品です。 ここでは、感想文を書くうえで土台となる 3つのテーマ を整理しておきます。

この3つを押さえておくと、子どもが自分の言葉で考えを広げやすくなり、感想文の内容にも深みが出てきます。

①視覚障害について知る|“見えない世界”を想像する力

主人公のハイメくんは視覚障害があります。 物語では、朝起きるところから、音・触覚・匂いなどを頼りに生活する様子が丁寧に描かれています。

読者は、ハイメくんの一日を追うことで、 「視覚障害のある人の生活はどんな工夫で成り立っているのか」 「自分とは違う感覚の使い方がある」 ということに自然と気づくことができます。

  • 音や触覚で生活する工夫 — ハイメくんの“世界の感じ方”を追体験できる
  • 視覚障害のある人の日常 — 特別ではなく“その人にとっての普通”
  • 想像する力 — 自分とは違う生活を思い浮かべることが理解の第一歩

視覚障害は“かわいそう”ではなく、“その人の生活のスタイル”。 この視点を持つだけで、子どもの感想文はぐっと深くなります。

② 「できない」ではなく「その人のやり方」|サポートと特別扱いのちがい

この作品の大きなテーマのひとつが、 「障害がある=できない」ではない という視点です。

ハイメくんにも、もちろん苦手なことはあります。 でもそれは“障害だから特別にできない”のではなく、 “その人の生活の中で工夫が必要な部分があるだけ”。

周りの人がどう接するかも、子どもが考えやすいポイントです。

  • サポートの気持ち — 困っているときに手を差し伸べる優しさ
  • 特別扱いとの違い — 過剰に守ることが本当にその人のためになるのか
  • 多様な考え方 — 人によって“してほしいこと”は違う

「助けたい気持ちは大切。でも、どう助けるのがいいのかは人によって違う」 この気づきは、子どもにとって大きな学びになります。

③はじめての挑戦|誰でも“チャレンジしていい”

ハイメくんは、物語の中で “ひとりで歩く” という大きな挑戦をします。 これは視覚障害があるから特別なのではなく、 誰にとっても「はじめての挑戦」は不安で、勇気が必要 という普遍的なテーマです。

  • 挑戦する気持ち — できるかどうかより、やってみようとする心
  • 失敗してもいい — うまくいかない経験も成長の一部
  • 自分の生活へのつながり — 子ども自身の「最近の挑戦」と重ねやすい

障害の有無に関係なく、
「やってみたい」「こわいけど一歩踏み出す」
という気持ちは誰もが持つもの。
この普遍性が、感想文の書きやすさにつながります。

4.全体をイメージすると、感想文はスラスラ書ける|全体の構成

感想文は、いきなり書き始めるよりも、まず“全体の流れ”をイメージするとスラスラ書けるようになります。

文章の順番が見えていると、書く内容が自然に決まり、迷わず書き進められます。

付箋にメモをして、構成を考えてみるのもおすすめです。

「どの順番で書くか」を決めるだけで、感想文はぐっと書きやすくなります。

私なら、以下のような順番で書いていきます。

読書感想文の構成

① この本を選んだ理由

・どうしてこの本を読もうと思ったのか

・表紙の雰囲気、テーマへの興味、先生にすすめられた、難民という言葉が気になった…など

・「自分の関心と本のテーマをつなげる」と説得力が出る

② 印象に残った場面

・印象に残った場面やセリフ

・その場面を選んだ理由

・自分がどんな気持ちになったか、なぜそう感じたのか

③ 考えたこと・やってみたこと

・ハイメくんの気持ちをどう想像したか

視覚障害のある人の生活について考えたこと

“助ける”と“特別扱い”のちがいについて気づいたこと

自分の生活や経験と重ねて思ったこと

読んでから調べたこと、やってみたこと

④ まとめ

・この本を読んで一番心に残ったこと

・これから自分がどうしたいと思ったか

・読んでよかったと思う理由

5.感想文のネタ集め!こうやって質問する|子どもの考えを引き出す

感想文を書くとき、いきなり「何を書こう?」と考えるのはむずかしいもの。

そこで、“ちょっとした質問”を投げかけることで、子ども自身の言葉で感じたことや考えたことが出てきます。

ここでは、『それからぼくはひとりで歩く』のテーマ (視覚障害・サポートと特別扱い・はじめての挑戦) とつながる質問を紹介します。

テーマから外れず、子どもの言葉を引き出すのにぴったりです。

ハイメくんの生活から考える|“見えない世界”ってどんな感じ?

まずは、ハイメくんの一日の描写に注目して、そこからイメージを広げてみましょう。

視覚障害というテーマはむずかしく感じますが、 「ハイメくんはどう感じていた?」 という問いなら、中学年でも自然に考えられます。

  • 「ハイメくんは、朝起きたとき何を手がかりにしていたと思う?」
  • 「音や触った感じで生活している場面、どんなふうに感じた?」
  • 「自分だったら、目をつぶって歩くとどんな気持ちになる?」
  • 「“見えない”って、こわい?それとも工夫したらできそう?」

ここで大切なのは、 “かわいそう”ではなく、“その人の生活のスタイル”として理解すること。

子どもが「自分とは違う世界の感じ方」を想像できると、感想文に深みが出ます。

「できない」じゃなく「その人のやり方」|サポートと特別扱いを考える

3章のテーマにもあったように、 障害がある=全部できない、ではない という視点は、子どもにとって大きな学びになります。

ハイメくんの周りの人の気持ちを考えることで、 “どう助けるのがいいのか”という視点も育ちます。

  • 「ハイメくんが困っていたとき、まわりの人はどんな気持ちだったと思う?」
  • 「助けたいと思う気持ちは大事だけど、“やりすぎ”ってどんなとき?」
  • 「自分だったら、どんなふうに声をかけたい?」
  • 「ハイメくんは、どんなサポートならうれしいと思う?」

ここでのポイントは、 いろいろな考え方があっていい ということ。

子どもが「自分ならどうする?」と考えるだけで、感想文の材料が一気に増えます。

はじめての挑戦から考える|自分の“初めて”とつなげる

ハイメくんが挑戦した「ひとりで歩く」という行動は、 障害の有無にかかわらず、誰にとっても大きな一歩。

ここは、中学年の子が 自分の経験と重ねやすい部分 です。

  • 「ハイメくんは、ひとりで歩く前にどんな気持ちだったと思う?」
  • 「あなたが最近“はじめて挑戦したこと”って何?」
  • 「そのとき、こわかった?ワクワクした?」
  • 「うまくいかなかったことはあった?どうやって乗りこえた?」
  • 「挑戦したあと、どんな気持ちになった?」

この章は、感想文の“自分の体験”パートに直結します。 子どもが自分の言葉で語りやすく、文章の説得力もぐっと上がります。

⭐質問のコツ|子どもの言葉を引き出す魔法のリアクション

子どもから言葉が出てきたら、 「それ、いいね!」 「なるほどね~!」 「それは気付かなかった!」 と、気持ちを受け止めてあげること。

とにかくたくさん言葉を引き出して、考えを深めていきます。 出てきた言葉は、どんなに小さくてもメモしておきましょう。

メモはあればあるだけ、あとで助かります。 その言葉こそが、感想文の“材料”になります。

6.感想文を書いてみた!(ショートver.)

実際に書いてみました!

要素だけを入れた簡単バージョンになりますが、全体のイメージが伝わればと思います。

感想文サポートのきっかけにしてください。

「それから ぼくは ひとりで歩く」感想文、書いてみた。

この本を選んだ理由は、「ひとりで歩く」という言葉が気になったことと、 目が見えない人の生活がどんなふうなのか知りたいと思ったからです。ハイメの一日がわかることに興味を持ちました。

ーーーー

ハイメが朝、音やにおい、手でさわった感じをたよりに生活している場面を見て、驚きました。

目が見えないと、こんなふう感じているんだと知りました。 でもハイメにとっては、それが“特別”ではなく、毎日の生活のやり方なんだと思いました。

私は今まで、視覚障害のある人の生活をあまり想像したことがなかったので、 「見えない世界ってどんな感じなんだろう」と考えるきっかけになりました。

ーーーー

一番ドキドキしたのは、ハイメがひとりでバスに乗って帰ることになったところです。 知らない人に見られたり、市場で転んでしまった場面は、 読んでいる私は「怖いだろうな」「助けてあげたい」と思いました。

それでもハイメは、あきらめずに、自分のやり方で前に進もうとしていました。

無事にお兄ちゃんがいる中学校に到着してよかったです。助けてくれる人もいて、安心しました。

ーーーー

本を読んだあと、視覚障害のある人について調べてみました。 白杖の意味や、点字ブロックの役わりを知り、 助けたいと思っても、いきなり腕をつかんだりするのはよくないことが分かりました。

その人が本当にしてほしいことと、自分が「いい」と思っていることはちがうかもしれません。

友達に聞くのと同じで、困っている人を見かけたらまずは、「何か手伝えることはありますか?」と聞くことが大切だと感じました。

ーーーー

ハイメの挑戦を読んで、私も自分の“はじめての挑戦”を思い出しました。

初めて一人でおばあちゃんちに行ったときに、ちゃんと着くか不安で、歩いている間ずっとドキドキしていました。 でも、おばあちゃんちに着いたときに「よくできたね」と言ってくれたし、わたしも一人で来れてうれしかったです。 こわかったけれど、やってみてよかったと思いました。

ハイメも、きっと同じようにドキドキしながら、 家族や友だちの言葉を力にして一歩をふみ出したのだと思います。 挑戦は、だれにとってもこわいけれど、大切なことだと感じました。それは障害があってもなくてもみんな一緒だと思います。

ーーーー

この本を読んで、目が見えない人の生活にはたくさんの工夫があることや、 助けるときはその人の気持ちを大切にすることが大事だと分かりました。 そして、挑戦する気持ちは、障害があってもなくても、みんな同じなんだと思いました。

ハイメが一歩をふみ出したように、私もこれからはこわいと思っても、 少しずつ自分の力でやってみようと思います。

7.まとめ

『それからぼくはひとりで歩く』は、 視覚障害のあるハイメくんの生活や挑戦を通して、 “見えない世界を想像すること”や“その人に合った助け方を考えること”、 そして“誰にでもある初めての一歩をふみ出す勇気”を教えてくれる物語です。

子どもが自分の生活を見つめ直し、 まわりの人への思いやりや、自分の挑戦への前向きな気持ちを育てる一冊です。

~第72回青少年読書感想文全国コンクール「課題図書」~シリーズ更新中✨

次回は【君の火がゆらめいている/落合由佳】について、まとめます!

※記事完成したらリンクをはります

あぱち
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