『ポジション』読書感想文の書き方【夏の課題図書/小学校高学年】

夏休みの読書感想文…本を読むのが好きでも、なかなか悩む夏休みの宿題ではないでしょうか。

こちらの記事では、お子さん自身が考えて、自分のことばで楽しく読書感想文を書くことを目指しています。

2026年・小学校高学年の夏の課題図書『ポジション』を題材に、

テーマの整理・書き方のコツ・質問例・構成の作り方・ショートサンプルまでをまとめました。

『ポジション』は、努力することの意味や、仲間とのつながり、チームで戦うことの大切さに気づかせてくれる作品です。 物語の理解を深めながら、感想文に必要な“考える材料”を自然に引き出せるように構成しています。

親子で取り組める内容になっていますので、夏休みの読書感想文づくりのサポートとして、ぜひご活用ください。

(※作品を読んだあと、必要な部分をご活用ください✨)

1.本の基本情報

課題図書『ポジション』の表紙。ミニバスと車いすバスケの子どもたちが描かれた、スポーツと成長をテーマにした作品のイメージ。
  • タイトル: ポジション
  • 著者:高田由紀子(作)
  • 出版社/出版年:岩崎書店/2025年
  • 課題図書の対象学年: 小学校高学年(第72回 読書感想文コンクール 2026)

2.超・簡潔にわかる!『ポジション』

体育館に設置されたバスケットゴールのアップ。ミニバスの雰囲気を伝える写真。

”末広サンライズ”というミニバスチームを舞台に、 それぞれの子どもたちが“自分のポジション”を見つけていく成長物語。

バスケットボールの技術だけでなく、 仲間との関わり方、自分の弱さとの向き合い方、家族との関係など、 小学生ならではの葛藤と前進が丁寧に描かれた作品です。

ミニバスチーム「末広サンライズ」!/主な登場人物

朝丘芽吹(6年): 百田に誘われてミニバスに入った5年生。運動が苦手で自信がないが、 チームの中で少しずつ「自分の役割」を見つけていく。

貴島ルイ:芽吹の幼い頃の友達。生まれつきの障害のため、車椅子を使っており、車いすバスケチームに所属している。

百田晴 (6年):小さい頃からミニバスを続けている経験者。 家族も応援しており、姉も元ミニバス選手。 芽吹を誘った張本人で、明るく前向き。

一条結人 (6年):両親の離婚で引っ越してきた転校生。 バスケは強いが、チームワークに課題を抱えている。 新しい環境でどう仲間と関わるかが大きなテーマ。

コタロー(6年) 末広サンライズの上級生。チームを支える存在。

ジン(6年) コタローと同じく最上級生。下級生の成長を見守る立場。

新平(5年) 5年生ながらバスケがうまく、試合でも存在感を発揮する。

鉄じい 末広サンライズの監督。 子どもたち一人ひとりの個性を見抜き、成長を後押しする指導者。

全ての物語は、末広サンライズの話ですが、各章の主人公が変わり、短編のように読むことができます。

超・簡潔に分かる!結末までに起こること

プロローグ  年度初めの試合で末広サンライズは敗れ、チームの課題が浮き彫りになる。ここから末広サンライズの物語が始まる

1章|朝丘芽吹  運動が苦手で不安な芽吹は、車いすバスケをやっている貴島ルイとの再会でバスケへの気持ちを考え直す。“自分にできること”を見つける。

2章|百田晴  キャプテンの晴だが、チームメイトを見下していたことに気づき、仲間への態度を見直す。

3章|一条結人  離婚した父と車いすバスケを見にいく。言い訳をせず、現状の中で努力することを学ぶ。

4章|末広サンライズ  鉄じいの過去の話を聞く。勝つことを優先するか。最後の試合で芽吹の練習の成果がチームを延長戦へつなぐところで物語は終わる。

どの章も、それぞれがバスケを通して、努力することや人との関わりについて考えます。

悩みながらも、バスケと共に成長していく姿に、共感が持てる作品でした!

ほかの学年の課題図書の解説はこちら

『なにかいいことあった?』読書感想文の書き方【夏の課題図書/小学校低学年】 『それからぼくはひとりで歩く』読書感想文の書き方【夏の課題図書/小学校中学年】

3.『ポジション』のテーマを深掘り!読み解く3つのポイント

『ポジション』は、スポーツ物語として楽しめるだけでなく、子どもが“努力の意味”“仲間との関わり方”を考えるきっかけになる作品です。

自分たちのミニバスチームと、車いすバスケのチームを見比べて、登場人物たちはいろいろなことに気付いていきます。

ここでは、感想文を書くうえで土台となる 3つのテーマ を整理しておきます。

この3つを押さえておくと、子どもが自分の言葉で考えを広げやすくなり、 感想文の内容にも深みが出てきます。

努力する理由|自分の役割に気づくことで強くなれる

公園の道を走る人の足元。努力や前向きな気持ちを象徴する一枚。

芽吹は、バスケの技術が高いわけではありません。

その自覚があるからこそ「迷惑をかけたくない」と思いで、コツコツ練習を重ねます。

でも、そんな芽吹をさらに変えたのが、ルイの言葉です。

「このポジションを楽しんでやろう」

※このポジション=ルイにとっては足に障害を持っている現状のこと

足に障害がありながらも前向きにプレーするルイの姿勢に触れ、 芽吹は“自分のポジション”を考えるようになります。

  • コツコツと努力することは自分の力になる
  • 自分にできることを見つけ、目標を設定する
  • 自分の役割を考える

努力のモチベーションは、人によってさまざまですが、

「人に迷惑をかけたくない」という気持ちが、「自分にもできることがある!」と前向きな思いに変わっていきました。

芽吹の成長は、読者に「自分の役割を見つけることの大切さ」を教えてくれます。

悔しさと向き合う|相手の気持ちを想像する力

広い階段が青空に向かって続いている風景。成長や前向きなきもちを象徴する構図。

キャプテンの晴は、家族の応援があり、チームメイトとの関係も良好で、自分が恵まれている自覚があります。

しかしその一方で、無意識にチームメイトを見下してしまっていたり、相手の気持ちを想像できていなかったことに気づきます。

リレーの選手に選ばれなかった悔しさから、 芽吹に八つ当たりしてしまう場面もありました。

(自分の足りないことに気づいた晴は、チームメイトに謝罪する姿は立派でしたよね。)

  • 自分だってベストメンバーから外される可能性がある
  • 実力だけでない、友達の良さがある(芽吹はいつも優しく、自分の気持ちを想像してくれていた)
  • 相手の立場に立って想像することの大切さ

悔しい気持ちから何が学べるか、考えることができます。

自分を見つめ直すきっかけになるということを教えてくれるテーマです。

チームで戦う意味|勝つことより大切なもの

複数の手がバスケットボールに触れている場面。チームワークや協力を象徴する写真。

物語には、「勝利」と「楽しさ」のどちらを優先するかという葛藤があります。 これは、スポーツに限らず、どんなチームでも起こりうるテーマです。

ベストメンバーを決める場面では、

「6年を優先するならやめる」と考える新平や、「長く楽しくバスケをしてほしい」と願う監督、「6年生という理由でベストメンバーに選ばないでほしい」と言う芽吹。

それぞれの思いがぶつかります。

その中で生まれたのは、 “もっと強くなる”という前向きな気持ちでした。

最終試合では新平がベストメンバーに選ばれますが、 芽吹は交代で試合に出て、同点に持ち込む大きな役割を果たします。

  • 勝つために必要なのは、誰かを切り捨てることではない
  • 切磋琢磨することで、チーム全体が強くなる
  • チームの実力を優先すべきか、個々の思いを優先すべきか

こうした問いは、これから成長していく子どもたちが、 将来どこかで必ず向き合うテーマでもあります。

4.全体をイメージすると、感想文はスラスラ書ける|全体の構成

感想文は、いきなり書き始めるよりも、まず“全体の流れ”をイメージするとスラスラ書けるようになります。

文章の順番が見えていると、書く内容が自然に決まり、迷わず書き進められます。

付箋にメモをして、構成を考えてみるのもおすすめです。

「どの順番で書くか」を決めるだけで、感想文はぐっと書きやすくなります。

私なら、以下のような順番で書いていきます。

読書感想文の構成

この本を選んだ理由

  • どうしてこの本を読もうと思ったのか
  • 表紙の雰囲気、スポーツへの興味、先生にすすめられた、努力の物語にひかれた…など
  • 「自分の関心と本のテーマをつなげる」と説得力が出る

『ポジション』はバスケが題材の物語なので、 「自分もスポーツをしているから」「努力の話を読んでみたかったから」など、 自分の生活とつなげると自然な書き出しになります。

印象に残った場面

  • 印象に残った場面やセリフ
  • その場面を選んだ理由
  • 自分がどんな気持ちになったか、なぜそう感じたのか

『ポジション』なら、

→ルイの「このポジションを楽しんでやろう」という言葉

→晴が芽吹に謝る場面

→ベストメンバーを決めるときの葛藤 などが書きやすいポイントです。

考えたこと・やってみたこと

  • 芽吹や晴の気持ちをどう想像したか
  • 努力・悔しさ・チームワークについて考えたこと
  • 自分の生活や経験と重ねて気づいたこと
  • 読んでから行動してみたこと(あれば)→スポーツの経験に重ねたり、バスケの試合の動画を見てみたり!

まとめ

  • この本を読んで一番心に残ったこと
  • これから自分がどうしたいと思ったか
  • 読んでよかったと思う理由

最後は、 「この本を読んで、自分はどう変わりたいと思ったか」 を書くと、感想文がきれいに締まります。

5.感想文のネタ集め!こうやって質問する|子どもの考えを引き出す

感想文を書くとき、いきなり「何を書こう?」と考えるのはむずかしいもの。

そこで、“ちょっとした質問”を投げかけることで、子ども自身の言葉で感じたことや考えたことが出てきます。

ここでは、『ポジション』のテーマ(努力・悔しさ・チームワーク)とつながる質問を紹介します。

テーマから外れず、子どもの言葉を引き出すのにぴったりです。

努力する理由から考える|自分のポジションって何だろう?

水面に落ちる水滴が波紋を広げている様子。気づきや広がりをイメージさせる写真。

まずは、芽吹やルイの姿に注目して、そこからイメージを広げてみましょう。

“努力する理由”や“自分の役割(ポジション)”というテーマにつながりやすく、 子どもが自分の経験と重ねやすい質問です。

  • 「あなたはどんなことを頑張りたい?」
  • 「強くなるために必要なことって何だと思う?」
  • 「自分が苦手なことは?その代わりにできることは?」
  • 「自分のポジションって何だと思う?(家族・クラブ・クラスの中で)」
  • 「自分が安心してできることや得意なことは?」

芽吹が“自分にできること”を見つけたように、 子ども自身も「自分の役割」を考えるきっかけになります。

悔しさと向き合う|気持ちを想像すると見えるもの

書き直しを重ねる様子を表す、くしゃくしゃの紙とノート。くやしさをイメージ。

晴の悔しさや八つ当たりの場面は、子どもにとって共感しやすいテーマです。

悔しい気持ちをどう受け止めるか、相手の気持ちをどう想像するかを考える質問です。

  • 「どの人にいちばん共感した?」
  • 「晴はどうして八つ当たりしちゃったんだと思う?」
  • 「あなたが悔しかった経験はある?」
  • 「そのとき、どうやって気持ちを切り替えた?」
  • 「この本を読んで、頑張りたいと思えた?」

悔しさは悪いものではなく、 “自分を見つめ直すきっかけになる”という気づきにつながります。

チームで戦う意味から考える|勝つことと楽しむこと

木製のスクラブルタイルで並べられた“WIN”の文字。達成や前進を象徴する写真。

『ポジション』では、勝つためのチーム編成と、楽しく続けることのどちらを優先するかという葛藤が描かれています。

子どもが自分の考えを言葉にしやすい質問です。

  • 「延長戦の試合結果はどうなると思う?」
  • 「勝つためにチームを作るのと、楽しくやること、どっちが大事だと思う?」
  • 「友達と協力した経験はある?」
  • 「そのとき、どんな気持ちになった?」
  • 「車いすバスケって知ってた?」

スポーツだけでなく、学校生活や友達関係にもつながるテーマです。

⭐質問のコツ|子どもの言葉を引き出す魔法のリアクション

子どもから言葉が出てきたら、 「それ、いいね!」 「なるほどね~!」 「それは気付かなかった!」 と、気持ちを受け止めてあげること。

とにかくたくさん言葉を引き出して、考えを深めていきます。 出てきた言葉は、どんなに小さくてもメモしておきましょう。

メモはあればあるだけ、あとで助かります。 その言葉こそが、感想文の“材料”になります。

6.感想文を書いてみた!(ショートver.)

ノートの上に鉛筆と消しゴムが置かれた、読書感想文を書く準備のイメージ。

実際に書いてみました!

要素だけを入れた簡単バージョンになりますが、全体のイメージが伝わればと思います。

感想文サポートのきっかけにしてください。

「ポジション」感想文、書いてみた。

この本を選んだ理由は、バスケットボールが好きで、表紙の雰囲気にひかれたことと、 「努力」や「チームワーク」についてもっと知りたいと思ったからです。

ーーーー

芽吹が自分の技術の低さを自分でわかっていて、コツコツ努力している姿が心に残りました。 特に、ルイが「このポジションを楽しんでやろう」と言った場面が印象的でした。 足に障害があってもきついトレーニングをしていて、前向きにプレーするルイを見て、芽吹が“自分にできること”を考え始めたことがすてきだと思いました。 私も、苦手なことがあっても、自分の役割を見つけて頑張りたいと思いました。僕は車いすバスケを見たことがなかったので動画を見てみました。スピード感がすごく、車いすに乗っているとは思えないバスケで驚きました。芽吹も同じ気持ちだったかもしれません。

ーーーー

また、キャプテンの晴がリレーの選手に選ばれなかった悔しさから、芽吹に八つ当たりしてしまう場面も印象に残りました。 晴は、自分が相手の気持ちを想像できておらずに行動してしまっていたことを思い出して、チームメイトに謝りました。 その姿がかっこいいと思いました。悔しい気持ちは、僕も共感できますが、怒らないで、どうしたらよいかを考えたいと思います。

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ベストメンバーを決める場面では、「勝つこと」と「楽しく続けること」のどちらを大切にするかという問題が出てきます。 新平と芽吹の気持ち、監督の考えを読んで、チームにはいろいろな立場や思いがあることを知りました。ぼくは、一生懸命やることが好きだし、実力を伸ばしたいです。でも、チームの仲が悪かったら練習が進まないし、チームワークが悪くなるので、楽しく練習をしたいです。最後の 延長戦の結果は書かれていませんが、私は、末広サンライズが勝っても負けても、チームで戦う姿がかっこいいと思います。

ーーーー

この本を読んで、 「自分にできることを見つけて頑張ること」が大切だと気づきました。 これからは、苦手なことがあっても、自分のポジションを考えながら前向きに取り組んでいきたいです。

7.まとめ

『ポジション』は、努力することの大切さや、自分の役割(ポジション)に気づくことで強くなれるというメッセージを教えてくれる物語でした。

悔しさと向き合うことや、仲間の気持ちを想像することの大切さにも気づかせてくれます。

子どもが自分の生活を見つめ直し、まわりの人とのつながりや、チームで協力することの価値を考えるきっかけになる一冊です。

あぱち
あぱち

ここまでご覧いただきありがとうございました!

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