『リヒト!』読書感想文の書き方【夏の課題図書/小学校高学年】

夏休みの読書感想文…本を読むのが好きでも、なかなか悩む夏休みの宿題ではないでしょうか。

こちらの記事では、お子さん自身が考えて、自分のことばで楽しく読書感想文を書くことを目指しています。

2026年・小学校高学年の夏の課題図書 『リヒト!』(文研出版)を題材に、

テーマの整理・書き方のコツ・質問例・構成の作り方・ショートサンプル までをまとめました。

『リヒト!』は、ヨーロッパの旅を通して、 主人公のリヒトが「正解は一つじゃないこと」や「人を決めつけないこと」に気づいていく物語です。

環境のちがい、考え方のちがい、そして人との向き合い方── 旅の実例を通して、感想文に必要な“考える材料”が自然に引き出されるようになっています。

親子で取り組める内容になっていますので、夏休みの読書感想文づくりのサポートとして、ぜひご活用ください。

(※作品を読んだあと、必要な部分をご活用ください✨)

1.本の基本情報

  • タイトル: リヒト!(Amazon)
  • 著者:イノウエミホコ (著)
  • 出版社/出版年:文研出版/2025年
  • 課題図書の対象学年: 小学校高学年(第72回 読書感想文コンクール 2026)
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2.超・簡潔にわかる!『 リヒト!』

主人公の リヒト が、亡くなった祖母・節さんの思いを胸に、親戚の マサムネ とともにドイツへ向かい、家族の記憶と向き合いながら成長していく物語です。

中学受験を控え、「正解は一つ」と思い込んでいたリヒトが、旅の中でものごとの見方が少しずつ変わっていきます。

子どもが「自分の考え方」や「価値観」を広げていく過程が丁寧に描かれています。

少しずつ事実が分かっていくような構成で、ミステリー小説を読み進めるような感覚があり

「リヒト!」/主な登場人物

リヒト: 物語の主人公。中学受験を控える小6。「正解は一つ」と考えていたが、旅を通して、物事の見方が変わっていく。

マサムネ: 美大生でリヒトの親戚。ドイツへの旅を共にする。最初はリヒトにとって苦手な存在だが、旅の中で距離が縮まる。

節さん: リヒトが深く信頼していた祖母。亡くなる前にリヒトへ封筒を託し、その思いが旅の目的となる。

レイさん: ドイツ在住の節さんの双子の姉。節さんの写真の持ち主であり、リヒトが会いに行く目的の人

超・簡潔に分かる!結末までに起こること

①節さんが残した写真を返してもらうため、そして託された封筒を届けるために、リヒトは不本意ながらマサムネとドイツへ向かう。

② リヒトとマサムネは、各地のクリスマスマーケットやヨーロッパの世界遺産などをめぐりながら会話を進めていく

③ 写真の持ち主であるレイさんと無事に会い、節さんの封筒を渡す。いろいろな事実が判明し、リヒトの考えも変わっていく

リヒトは旅を通して、「正解は一つではない」という気づきに出会います。 旅の中で知る、祖母の思い、人との関わり――リヒトの価値観を揺らし、広げていきます。

少しずつ事実が分かっていくような構成で、ミステリー小説を読み進めるような感覚があり、「次が気になって、早く読みたい!」と思える作品でした。(分かりにくいと思う方もいらっしゃるかもしれません)

ここからは、感想文を書くときに役立つ“テーマの深掘り”をしていきます。

高学年の課題図書のほかの作品の解説はこちら

『ポジション』読書感想文の書き方【夏の課題図書/小学校高学年】 『ミシュカ』読書感想文の書き方【夏の課題図書/小学校高学年】

3.「 リヒト! 」のテーマを深掘り!読み解く3つのポイント

ヨーロッパの街並み、大聖堂、クリスマスマーケット── 作中に登場する風景は、リヒトが“知らない世界”へ一歩踏み出すきっかけになります。

作中に出てきた気になる場所を 画像や動画で調べてみる と、子どもがイメージを持ちやすくなり、感想文の深みがぐっと増します。

ここでは、感想文の土台となる 3つのテーマ を整理します。 この3つを押さえておくと、子どもが自分の言葉で考えを広げやすくなります。

ヨーロッパの旅から学ぶ|“知らない世界に触れる”体験

リヒトは、祖母・節さんの思いを胸に、マサムネとともにヨーロッパを旅します。 大聖堂の迫力、クリスマスマーケットの温かい光、石畳の街並み── 日本とはまったく違う文化や景色に触れることで、リヒトは「自分の知っている世界がすべてではない」と気づいていきます。

旅の中では、予想外の出来事もたくさん起こります。 それは“流される”ということではなく、状況に合わせて考え、選び取る柔軟さが必要だということ。

  • 大聖堂の歴史を調べてみる
  • クリスマスマーケットの写真や動画を見る
  • 異国の暮らしを想像してみる

こうした調べ学習と組み合わせると、子どもが「自分の目で見たような感覚」を持てるため、感想文に具体性が生まれます。

正解は1つではない|“柔軟性”に気づく学び

節さんから「準備が大事」と教えられてきたリヒトは、 中学受験を控え、「正解は一つ」「計画通りに進めるべき」と考えていました。

しかし、旅では思い通りにいかないことばかり。 予定が変わることもあるし、予想外のトラブルも起きる。 その中でリヒトは、勉強で身につけた知識だけでは乗り越えられない場面に出会います。

さらに、 すべての嘘が悪いわけではない。優しさからくる嘘もある。 という気づきもあります。

リヒトは考えが固いところがあり、 その対比としてマサムネは柔軟性にたけています。 それは「雑」なのではなく、マサムネなりの経験と考えがあるからこそ。

  • 勉強だけでは説明できない出来事
  • 予定通りにいかない場面
  • 優しさから生まれる嘘
  • 自由とわがままの境界

こうした体験を通して、リヒトは 「正解は一つじゃない」 「状況に合わせて考えることも大事」 と気づいていきます。

子どもが感想文で書きやすいのは、 自分の生活にも“正解が一つではない場面”があるかどうかを考えること。

印象だけで人を決められない|“人を見る目”が育つ学び

リヒトは、旅の前からマサムネに苦手意識を持っていました。 「○○はこんな人だ」と決めつけていた部分もあります。

しかし、旅を通してみると、 思っていた姿とは違う一面が見えてきます。

また、節さんからの話で、レイさんのイメージを持っていましたが、それも違うことに気づいていきます。

  • 目的は違うと思っていたけれど、実は同じ方向を向いていた
  • 苦手だと思っていたけれど、話してみると理解できる部分があった
  • 自分が知らなかった相手の気持ちに気づく

人は、話してみないとわからないことがある。 わかっていたつもりでも、知らない一面がある。 この気づきは、子どもたちにも身近なテーマです。

友だち、先生、家族── 「印象だけで決めつけない」という学びは、感想文で深い内容につながります。

4.全体をイメージすると、感想文はスラスラ書ける|全体の構成

読書感想文を書くための原稿用紙とえんぴつ、消しゴムが机に置かれている様子。

感想文は、いきなり書き始めるよりも、まず“全体の流れ”をイメージするとスラスラ書けるようになります。

文章の順番が見えていると、書く内容が自然に決まり、迷わず書き進められます。

付箋にメモをして、構成を考えてみるのもおすすめです。

「どの順番で書くか」を決めるだけで、感想文はぐっと書きやすくなります。

私なら、以下のような順番で書いていきます。

読書感想文の構成

① この本を選んだ理由

・どうしてこの本を読もうと思ったのか

・表紙の雰囲気、ヨーロッパの街並みへの興味、「旅の物語を読んでみたい」という素直な気持ちなど

② 印象に残った場面

・印象に残った写真や説明

・その場面を選んだ理由

・自分がどんな気持ちになったか、なぜそう感じたのか

例:

  • 大聖堂の迫力に圧倒される場面
  • クリスマスマーケットの温かい雰囲気
  • マサムネの“柔軟な考え方”に触れる場面
  • 優しさから生まれる嘘を言った場面
  • レイさんと出会い、節さんの思いを受け取る場面

③ 考えたこと・やってみたこと

  • リヒトが感じた「正解は一つではない」という気づきをどう受け取ったか
  • 「自分の生活との違い」に気づいたこと
  • マサムネの柔軟性と、リヒトのまじめさの対比から学んだこと
  • 人は印象だけで決められないという気づき
  • 自分の生活や経験と重ねて気づいたこと

(あれば)読んでからやってみたこと → 気になる場所を調べてみた/大聖堂やクリスマスマーケットの写真を見てみた/自分の“正解のこだわり”について考えてみた など

④ まとめ

・この本を読んで一番心に残ったこと

・これから自分がどうしたいと思ったか

・読んでよかったと思う理由

・自分の考えが変化したこと

5.「リヒト!」子どもの考えを引き出す質問例

『リヒト!』は、 “ヨーロッパの旅” と “正解へのこだわり” と “人との向き合い方” がテーマの物語。


子どもが自分の経験とつなげて考えられるように問いかけを工夫すると、感想文の内容がぐっと深くなります。

ヨーロッパの旅から考える|“知らない世界”を自分ごとにする

まずは、リヒトが見たヨーロッパの風景や文化に注目し、そこからイメージを広げてみましょう。

  • ドイツといえば
  • ヨーロッパで行きたい国 はどこ?
  • 日本からスキポール空港まで何時間 かかるか調べてみよう
  • 実際に見てみたい建物 はどれ?

知らない場所を調べてみると、 「もし自分がそこに行ったら?」 と置きかえて考えやすくなります。っと考えやすくなります。

正解は一つじゃない|“柔軟性”に気づく学び

リヒトは「正解は一つ」「準備がすべて」と考えていました。 対してマサムネは柔軟で、状況に合わせて動けるタイプ。

この違いは、子どもが自分の性格を振り返るきっかけになります。

  • 正解ってどういう意味?
  • 準備を頑張る派?それとも その場でどうにかなる派?
  • 計画を立てるときに必要なこと は何?
  • リヒトのいいところ はどこ?
  • 嘘をつくのは悪いこと?(優しい嘘もあることを知っている?)

「自由なのか、わがままなのか」 「優しい嘘って何だろう」 こうした問いは、子どもの価値観を広げるきっかけになります。

人の気持ちを想像する|“見た目や印象だけではわからない”学び

リヒトは、マサムネのことを最初は苦手だと思っていました。 でも旅を通して、印象とは違う一面を知っていきます。

  • 人の考えを知るためには どうしたらいい?
  • 自分のことを説明する方法 は?
  • 笑っている人はみんな楽しいのか な?(本当は悲しいかもしれないよね)
  • みんな考えは一緒 だと思う?

「話してみないとわからないことがある」 という気づきは、感想文の深みを出す大切なテーマです。

⭐質問のコツ|子どもの言葉を引き出す魔法のリアクション

子どもから言葉が出てきたら、 「それ、いいね!」 「なるほどね~!」 「それは気付かなかった!」 と、気持ちを受け止めてあげること。

とにかくたくさん言葉を引き出して、考えを深めていきます。

多少、ずれているような回答でもOKにして、じゃんじゃん言葉を増やしていくことがポイント

出てきた言葉は、どんなに小さくてもメモしておきましょう。

メモはあればあるだけ、あとで助かります。 その言葉こそが、感想文の“材料”になります。

6.感想文を書いてみた!(ショートver.)

読書感想文を書くための作文用紙とえんぴつ、消しゴムが机に置かれている様子。

実際に書いてみました!

要素だけを入れた簡単バージョンになりますが、全体のイメージが伝わればと思います。

感想文サポートのきっかけにしてください。

感想文、書いてみた。
リヒト!

『リヒト!』をえらんだ理由は、ヨーロッパの旅が出てくると知って、どんな場所なのか気になったからです。表紙の雰囲気もすてきで、読んでみたいと思いました。

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わたしが一番印象的だったことは、主人公の リヒト が「正解は一つじゃない」と気づいていくところです。リヒトは、なんでも計画どおりに進めたいタイプで、予定が変わると不安になってしまいます。

旅の中で、思いどおりにいかないことが何度も起きて、リヒトは少しずつ考え方を広げていきます。日本では当たり前だと思っていたことも、外国ではそうではない場面があり、世界にはいろいろな考え方があると知りました。

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この本を読んで、わたしは「正解は一つじゃない」という言葉の意味をあらためて考えました。リヒトはまじめで、準備をしっかりするタイプですが、旅では準備だけではどうにもならないこともあります。

いっぽうで、親せきの マサムネ は自由で柔らかい考え方をしていて、リヒトとはちがうタイプです。最初は「雑なのかな?」と思ったけれど、読んでいくうちに、マサムネにもちゃんと理由や経験があることがわかりました。

人は見た目や印象だけでは決められないんだと感じました。

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また、優しい気持ちからつく嘘もあることに気づきました。嘘はダメだと思っていたけれど、相手を思ってつく嘘もあると知って、少し考えが変わりました。

旅の中でリヒトがいろいろな人と出会い、話してみることで、知らなかった一面に気づく場面も心にのこりました。

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さいごに、「正解は一つじゃない」という気づきは、わたしの生活にもつながると思いました。勉強や習い事でも、うまくいかないことがあっても、やり方を変えたり、考え方を広げたりすれば前に進めると感じました。

この本を読んで、世界にはいろいろな考え方があることや、人を決めつけないことの大切さを知りました。わたしも、知らない世界に一歩ふみ出してみたいです。

7.『リヒト!』まとめ|

『リヒト!』は、ヨーロッパの旅を通して、 正解は一つじゃないこと人を決めつけないこと に気づいていく物語です。

リヒトはまじめで計画を大事にするタイプですが、旅では思いどおりにいかないことがたくさんあり、少しずつ考え方が広がっていきます。 マサムネとの出会いを通して、印象だけでは人をわからないことや、優しい気持ちから生まれる嘘もあることを学びます。

環境や考え方はちがっても、 前に進もうとする気持ちは同じ だと感じられる作品でした。

リヒトの旅は、子どもが自分の生活に重ねて考えやすく、 感想文にもとても書きやすい一冊です。

あぱち
あぱち

ここまでご覧いただきありがとうございました!

おすすめの本があれば、お気軽にコメントをお願いします♪

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